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森の復活 !? ハイキングのすすめ

森の案内(竹中大工道具館から布引きの滝へ)

先日、竹中大工道具館の主催するイベントに参加してきました。家具の展覧会「SOMA」の一環で行われた道具館から布引きの滝までを歩く2時間コースのハイキングです。
ハイキングの案内役は「SOMA」のディレクター川合優さんと森の案内人三浦豊さん。

三浦さんは「森の案内人」と名乗り各地の森を案内するイベントをされていますが、何年か前にネットで見つけて一度参加したことがあります。その案内ぶりが楽しく、またどこかで参加したいと思っていたところに、今回のイベントを見つけて早々に申込みをしていました。

今回も変わらず面白かったです。小学校の頃に一度は遠足で来ているはずと思う布引きの滝ですが、新神戸にある道具館から少し登ったところにあるとは全く気付いていませんでした。道具館の庭に立つ立派な楠、街路樹から始まって山中に立つ自生の紅葉や粗樫を目の前に木の話や、六甲山を主にした森の話を1時間半ぐらいゆっくり登りつつ伺ってきました。

メモを取ることもせずいたので既にほとんどの話がうつろですが、印象に残る話を少し。

現在日本の林業がとても厳しい状況にあるのは、ご存知の方も多いと思います。そうした中で「森林が荒れている」と言った表現を耳にしますが、この「荒れている」が見方を変えればそうではなく自然回帰へ向かっているだけと言われるのです。日本の山の植生というものは実は一定するものではなく、世代交代とともに環境が変わり、循環するようにどんどん変化するそうです。

そして今、日本の森はかつてない勢いで拡がり復活を始めていると言うのです。

かつて人々の生活はもっと森や山と密接でした。日々の燃料にも薪を使っていました。住まいを建てるにも多くの身近な木を使っていた訳です。しかし今、建築に使われる材料のほとんどが外材。林業だけに限らず、森や山との関わりが無くなったことで根本的な環境のバランスが変わってきている事が一番の原因です。かつての六甲山は神戸の人口の増加と共に禿げ山の時代がありました。そこで悪い土壌に強い松が植樹され次第に自然へ拡がります。そして徐々に山の土が肥沃になり、次には肥沃な土地を好む植樹が台頭はじめ、今の六甲山は粗樫の森に変わりました。そしてまた今、粗樫の森から次の植樹に移ろうとしていると言うのです。

三浦さんはそうした大きな森の流れを語る一方、1本1本の木にも愛情を込めた話をされます。
植物図鑑やネットから色んな木の名前を覚えて山に登って満足する方もいますが、そうした事はそこそこにしておいて、同じ木でも生えた環境で全く違う姿になっています。特に自生の木々は崖地であったり厳しい環境を生き抜いた姿を見てあげて欲しいと言われます。

自分を振り返ると、仕事の中で木材のことはついつい頭でっかちなイメージで話がちです。しかし良い大工さんは桟を取り付けるにも床板を貼るにも一本一本、木の癖を見定めながら作業をされます。考えてみると、その一本一本の木の生い立ちに思いを馳せているかもしれません。

わが家の柱を撫でつつコイツは一体どんな環境で育ってきたのだろうか? そんな事を想像するだけでも、木や林や森との関わり方がきっと変わります。

山頂?から神戸の様子

終着は竹中大工道具館のお庭


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