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「ばあちゃんち」に住んでいます。

配膳スペースにもなってます。

縁あって「ばあちゃんち」に夫婦ともども住まわせていただき、ほぼ20年。その半分はヨメさんが介護をしながらの同居。介護施設に入られても私たちはそのまま使わせてもらっています。

この「ばあちゃんち」は見かけはどこにでもあるごく普通な木造の住まいですが、少しだけ変わったところがあります。決して大きな家でありませんが、どことなく贅沢な使い方なのです。車椅子を使っていた祖母を移動させやすくするため、1階は祖母の部屋(居間)を中心に廊下は一間巾があり、そのまま一間巾の内縁に続いています。元々にあった古い家を取り壊し、できるだけそのままに作り直していると聞きますが、建て替えの際に祖母の身体が悪くなければ、こうした間取りに実はなっていなかったと思われます。元気な家族に住まいの設計を依頼されても、どうしても部屋中心に頭を動かすばかりで、うねった廊下が縦断するこの間取りのようにはまず描けない気がします。無理やりひねり出しても、普通の廊下の幅に戻せば辛うじて一部屋分ぐらい取れそうな面積もあるわけですからモッタイナイ「どうやって使うの」と言われそうです。想像も難しく、なかなか採用されそうにありません。

なのですが、特別からだが悪いわけでない私自身もヨメさんも、この間取りをとても気に入っています。部屋とも言えず廊下とも言えずの不思議な間に小さな机と椅子を置いて食事もできます。季節の良い時は居間よりも居心地よく、くつろげる場所にもなります。雨の日には物干し場にもなっています。ごろ寝もできます。小さなこたつを置くこともできます。一見変則的なのに、実は一番機能的で多様な利用になんなく応じる「どうにでも使っている」場所になっているのです。

絵づらでは表現しがたいこの空間の良さは、残念ながら体験者で無いと分からない気がします。人それぞれにきっと居心地良い空間があると思います。スッキリした空間だとか、綺麗な風景が見える空間だとかでは全くなく、なんとなくいいんです。的なそれぞれの「ばあちゃんち」を思い起こせば、自ずと広がりのある住まいになりそうな気がします。「じぶんち」を思い描くなら、どことなく無駄な気がしても自分だけが知っている気持ち良い空間・場所を大事にしてはいかがでしょうか。


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