海と一体になれる家。
眼の前いっぱいに海の広がる敷地に建つこの家は、一日の暮らしの中、いつもそばに海を感じ取ることが出来ます。道路から見たこの家は、まるで防波堤の様に海に立ち向かい、南端の細かな格子で組まれた黒く長いトンネルのアプローチを徐々に歩むと、四角く切り取られた小さな海が目の前に大きく広がります。
外のテラスと一体になったデッキ廊下へくぐり抜けると、そこは玄関であり、縁側であり、リビングの一部にもなっています。季節によって、開け放したり、閉じたり。
リビングの中心に座れば、各部屋が取り巻いた一体感のある構成が分かります。目の前の海は水平に広がり、少し見上げるとベランダ越しの空が覗いています。デッキ廊下の間仕切建具は、夜になれば映画を映し出すスクリーンにもなるでしょう。
和室に座れば、下駄箱下の地窓に海の蒼を感じとることも出来ます。ダイニングからも、キッチンからも、洗面所からも海の見えない場所はありません。2階は渡り廊下を挟んで右に子供部屋、左に主寝室があります。渡り廊下の横は全て、南北に伸びるベランダになっています。潮風に当たれば、まるで船の甲板に出た気分がするかもしれません。
外観からは想像し得ない、海と一体になれる内部空間がこの家の目指すところです。
【 建築概要 】
計画地:郊外の海辺
敷地面積:270.04 m2
建築面積:105.06 m2 / 建ぺい率 39.00 %(許容 70%)
延床面積:149.70 m2 / 容積率 55.30 %(許容 200%)
(各部床面積)
1階床面積:105.06 m2 ( 32.00 坪 )
2階床面積:44.10 m2 ( 13.20 坪 )
構造・規模 木造2階建て