気密と断熱。外壁工事。

里山25号 外壁工事 01 パネル気密工法

屋根の様子に引き続き、外壁工事の様子をご案内します。

柱や梁に黒いテープが貼られています。一般の建築工事ではあまり見かけない様子。
このテープは棟上げの記事にも少しご紹介しましたが、外壁の構造用面材との隙間を埋める「ボード気密工法」の部材です。ちょっと厚みのあるクッションテープと思ってください。里山25号の気密は、面材の四周とサッシ周りをくまなく塞ぐこの工法で基本的にまかないます。
もちろん、基礎コンクリートやサッシの取り付き部分にも同じようにそれぞれ専用の気密部材を挟み込み、外気と内気が行き来しない密閉状態を作っています。

里山25号 外壁工事 02

ぐるぐるぐるぐる、これは大工さんちょっと大変です。

里山25号 外壁工事 03

気密テープを施工した後は引き続き、面材を貼り進めます。今回は「モイス」と言う商品を使いました。透湿性が高く内部結露をより防ぎます。

里山25号 外壁工事 04

さらに上から透湿防水シート。さらに外壁仕上げ材用の胴縁。縦に通っている分が通気層になります。今回の仕上げは杉板タテ貼り仕上の予定のため、タテヨコと2重に胴縁を打つ方法を取っています。ヨコの胴縁で隙間を開けながら1度で済ませる方法も無くはありませんが、上下に動く空気の流れを妨げず、手違いで通り道を塞いでしまう事も軽減でき、より確実な方法です。

ここまで来ると、雨にも安心です。

里山25号 外壁工事 05

内部に移ります。
構造面材のモイスが白い材料なので骨組みの様子がとても分かりやすい状態になります。どことなく頼もしい感じ。監理する立場には工事の不手際を見つけやすく、いろんな意味合いで良い材料だと思っていますが、工務店さんにするとちょっとお値段高いのが難です。。。

里山25号 外壁工事 06

里山25号 外壁工事 07柱梁の間に断熱材が充填されていきます。写真の通り袋に入っていない高性能グラスウールです。
天井はこのグラスウールが210ミリ・壁は105ミリが、始めに入ります。さらに後から、それぞれ50ミリ袋入りグラウウールが上に被り、総厚では天井260ミリ、壁155ミリの断熱層を形成します。ここでは断熱材だけの話になりますが、この地域で見ると省エネ基準等級4の規定を優に超える断熱性能になっています。

床に転がる断熱材の切れ端を見るだけで、ごっついな〜っていう印象になりますね。持って帰って我が家に詰めたいぐらいです。

里山25号 外壁工事 08 断熱材

里山25号 外壁工事 09

換気扇や給気口など外壁に穴を開ける貫通部も、専用のの部材を使って断熱の欠損をできるだけ最小限に食い止めています。

 

里山25号 外壁工事 11

黄色の断熱材の部屋側には、防湿層となる遮熱性能付きの防湿シートが貼られました。シルバー色がめらめらしていますが、これで結露の原因となる湿気を壁体内に流入させません。継ぎ目継ぎ目は丁寧に専用のテープで目張りされています。

里山25号 外壁工事 12

防湿シートの上に下地材が打たれています。この下地間に先に書いた袋入りの断熱材を詰め込んでいきます。この下地間は、電気の配線も通るルートにもなります。
一般的な気密工事を行う配線工事では、コンセント部分に専用の部材や目張りのテープなどで補完を行いますが、どうしても断熱や気密の欠損がでやすい施工になりがちです。里山25号の方法は基本の防湿シートを一切破らず、より間違いのない施工を進めていく事が可能になります。

里山25号 外壁工事 10

袋入りの断熱材がさらに被せられていく様子。最後には外壁面全てがこの状態になります。

実は、ここからが本題です。

里山25号 外壁工事 13 気密測定里山25号 外壁工事 14

監督さん大工さんが普段以上に気を使って気密工事を行った里山25号のその性能は?

パネル気密工法をはじめ、今回の気密工事に関して事細かく指導を仰いだ日本住環境さんに気密測定が行っていただきました。ラッパの親玉みたいな機械が窓に取り付けられていますが、これで室内の空気を外部に吐き出し、中の気密状態を計測します。
計画的な開口部はテープ等で塞いだ上で、3回の計測を行い、その平均値が測定値となります。
さ〜スタート。
里山25号 外壁工事 15

見えづらいですが、モニターにうっすら「C-0.4」と数値が見えます。C値 0.4 。とても優秀な数値です。監督さん、大工さんは「バンザーイ」の大合唱。
計測の所用時間も思った以上に短かったです。むしろあっという間に終わりました。気密状態が良いためだそうです。また、計測中に気密シートが孕むような様子がありませんでした。それはボード気密工法の気密がきっちり取れているため、と日本住環境さんに教えていただきました。

C値とは、床1平方メートルあたりにスキ間が何平方センチメートルの大きさであるか言います。C値 0.4だとハガキ半分以下になります。気密住宅の定義は地域によって異なりますが、関西であればC値5以下を呼びます。里山25号は、一般基準の10分の1以下の気密性能を達成できたことになるわけです。
めでたしめでたし。

ひと山超えた印象ですが、まだまだ工事は続きます。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中