
フローリングの割付に大工さんがちょっと苦戦?
工業製品のフローリングだと製品の良し悪しにばらつきが少なく、大工さんは悩まず作業を進められるのですが、無垢材を使うとどうしても色合いのばらつきが出てしまいます。場合によれば、具合の悪い節や割れなどが隠れていることもあります。何気なく貼られているフローリングですが、大工さんはひとつひとつ確かめながら、どの材をどこに使うのか悩みながら作業をされます。
丁度現場に着いた時、棟梁からどうしましょう?と問いかけられました。う〜ん、そうですねぇ〜と悩む振りはするものの、任せます。と言わざるを得ません。現場に山積みになっている材料を一斉に並べるわけにも行かず、簡単に答えられるはずもないのです。
張り切られたフローリングを部屋一面に見たとき、なんとなく自然に、それでもきっちり貼られているように仕上げるには、実は相当に悩まされるのです。真面目に考えれば考えるほど袋小路。
例えば、壁の際に細すぎる端材のようなところがあると、もうすこしズレていれば両端も揃うのになぁ、と後からなら好きなふうに感じます。が、あちこちに繋がっているフローリングをどこもかしこも具合良くするには、図面の上でさえ結構悩まされます。ましてや現場では、材料の微妙な寸法違いもあり、どうしても大工さんの裁量に任せざるを得ません。
さてさて、そんなフローリングも数日後には貼られ、養生で覆い隠されてしまいました。今は、仕上がり具合を楽しみにする、嫌味な設計士かもしれません。




