構造と基本の性能(仕様)

「くらしのすまい」の設計メンバーは、木造・RC造・鉄骨造などの経験・知識を持って通常の業務を行っています。
この項目においては一般的に件数の多い「木造」を踏まえた表現が多くなりますが、他構造においても基本的な考えに変わるものはありません。

基本の方針

しっかりした地盤・基礎が安心の住まい。

一度建ってしまうと取り返しのつかない地盤。作ってしまった後には不良箇所が見つけにくい基礎。暮らしの安心は地盤や基礎にこそあるのかもしれません。調査を確実に行い、しっかり見極めた基礎構造にする必要があります。

無理をせず安定した構造の住まい。

計画を進めると要望にお応えしようとするあまり、建物の構造に無理をさせてしまうことは実際に多いことです。必要以上な無理はせず、まず将来にも安心できる構造を優先してください。

環境にも配慮し、家に優しく長持ちさせる工法の住まい。

永く暮らし続ける住まいには、室内環境を機械に頼る人間中心の考えになりすぎず、確実な通気や断熱工法を用いてください。自然と共生し家の寿命にとっても優れる工法を採用することをお薦めします。

すべてにおいて
「くらしのすまい」設計メンバーが検討し納得できる住まい。

構造・工法はもちろん、仕様、意匠のすべてにおいて、設計メンバーが議論を重ねて検討しています。問題に当たれば、その都度メンバー全員が納得いく解答を得た上で「くらしのすまい」の建物に反映します。

具体的な諸例

「くらすま」特記仕様書の整備

くらすま特記仕様書

聞き慣れない言葉ですが、「特記仕様書」と言う建築図面の要があります。この特記仕様書は、どんな材料をどんな風に使いなさいと言った、施工者が必ず守らなければならない「住まいづくりのための注意書き」とお考えください。設計者の意図、考えが反映される部分にもなります。見える所だけでなく、見えないところを大事にしたいからこそ必要になります。( 現在策定中 )

地盤調査や地盤改良について(耐震性)

地盤

規模に関わらず、地盤調査は必ず行います。
一般的な軟弱地盤で、多く施工されるのが柱状改良工事と呼ばれる固形材と土を混ぜ込んだ柱状の柱を地面の中に造る工法です。ただここで使われる固形材はセメント系の材料になり、環境汚染の一つになってしまいます。たとえば、地中に築造する杭柱を砕石によって構成する環境に優しい工法があります。ただし、地域により費用的には少し割り増しになる可能性や崖地での制限がありますが検討するひとつです。

基礎について(耐震性)

地盤

一度造ってしまうと後にも先にも、やり直しが一番難しいのが基礎。そうは思っていても施主様には、家のイメージには程遠く何が良いのか分かりづらいところです。
木造においては、基礎工事には住宅金融支援機構「木造住宅工事仕様書」や一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会「推奨基礎マニュアル」を最低限の仕様とします。

構造について(耐震性)

構造

木造では、階数規模に関わらず、実情に即した許容応力度計算を構造設計の基本とします。また許容応力度計算によって、偏りを無くし構造部材の無駄を少なくすることが可能となります。いわゆる長期優良住宅等に規定される耐震等級2同等の構造躯体であることを基本としています。
木造の場合では、要望や規模等の諸条件によりSE工法その他の特殊木構造にも対応できます。もちろん、鉄骨造やRC造も変わりなく対応しています。

屋根の通気または小屋裏の換気について(劣化対策)

小屋裏換気

暖気の排出以上に、木造の場合には湿潤から木材を守り長持ちさせるため湿気の排出を十分考慮する必要があります。
そのため、長期優良住宅等に規定される「劣化対策等級3」と同等程度の対処を施しておく事を基本と考えています。

外壁の通気について(劣化対策)

外壁の通気

外壁や屋根の外側に通気層を設け、壁体内の結露を予防する方法を通気工法と呼びます。ただし、一般的に使われる外壁下地の構造用合板(構造用ベニヤ板)は、湿気を通しにくい材料であり通気工法の価値が少なくなってしまいます。こうした下地材にも透湿性の高いパネルを採用するのが、長持ちさせる秘訣にもなります。
(参考) 建築材料の透湿と結露について 

断熱と結露防止について(省エネルギー性)

断熱

結露は住まいの耐久性を劣化させるとともに、住む人への健康被害をもたらします。
結露が発生する主な要因は「温度差」と「湿度」です。住まいを包む断熱層と外壁、小屋裏、屋根の各通気層や気密層の正しい施工で、その「温度差」と「湿度」をコントロールし結露防止を図ります。
住まい自体の対策と同時に住まい方として換気が十分出来るよう計画する等の対策も必要です。
(参考) 断熱の方法などについて

使用材料と換気やシックハウスについて(室内環境)

換気

有機溶剤等の材料から発生するホルムアルデヒド等の有害物質によって取り上げられるようになった「シックハウス」。現在では企業、メーカー等がシックハウス問題に対応した結果、法整備(2003年建築基準法改正)以前のような有害物質を含む建材は少なくなりました。
風通しを良くし換気を充分にするとともに、できるだけ自然素材を主に考えて計画していきたいものです。
(参考) シックハウスの内容について 

メンテナンス性について(維持管理・維持保全)

メンテナンス性

長く生活していると様々な条件のもと何らかのトラブルが生じる可能性があります。
生じてしまったトラブルを素早く処置し解決できるように計画しておく必要があります。
特に目に見えない部分や各種設備配管に対しては適切に点検口を配置し、又、点検・メンテナンスが容易に行える(構造躯体と仕上げに影響を及ぼさずに配管の点検・清掃が行え、構造躯体に影響を及ぼさず配管の補修が行える等)ための配慮が必要です。


「 くらすまについて 」に戻る