断熱や気密について

まず、断熱建材には、壁や天井、床などに用いる「断熱材」 と窓やドアといった開口部に用いる「断熱開口部材」。その他に、気密性を高める「気密補助材(防湿・気密フィルムや気密テープ など)」があります。
断熱工事は、これらの材料を用いて家全体を隙間なく包むことが大切です。天井または屋根から外壁、そして床または土間床や基礎まで全体に包むよう施工することが基本になります。
また断熱材には多くの種類があり、施工方法もさまざまです。建物の構造によっても工法は変わり、地域の気候や建物の立地を考慮しながら計画します。
気をつけたい事は、断熱材そのものでは性能の良し悪しを決めることはできない、ということです。それぞれに応じた正しい施工方法にそって工事を行うことが大切です。もちろん材料によって、施工のしやすさやしにくさ、断熱する部位によっては優劣もあります。使用する断熱材により防湿気密層、通気層などが必要なこともあります。
また断熱開口部材になるガラスやサッシには、性能に応じた製品がいろいろとあります。


断熱の工法は大きく別けて以下の4つの工法になります。
木造・鉄骨造
充填断熱工法:主にグラスウール等の断熱材を柱などの構造部材の間に充填する工法
外張り断熱工法:ボード状の断熱材を躯体の外に貼付ける工法
RC造
内断熱工法:コンクリート躯体の部屋側に断熱材を施す工法
外断熱工法:コンクリート躯体の外部側に断熱材を施す工法

(備考)
主な断熱材一覧

素材断熱材分類長所や短所
鉱物系断熱材・グラスウール
・ロックウール
・低価格
・施工しやすい
自然系断熱材・セルロースファイバー
・炭化発泡コルク
・ココヤシ繊維
・綿状木質繊維
・コットン
・ウール
・高価格。
・天然素材やリサイクル素材を使用して断熱材を作るため、製造時の環境負荷が小さい。
プラスチック系断熱材・硬質ウレタンフォーム
・押出し法ポリスチレンフォーム
・ビーズ法ポリスチレン
・高発泡ポリエチレン
・フェノールフォーム
・リサイクルペット(ポリエステル)樹脂
・発泡ガラス(素材は鉱物系)
・高価格
・一次製造エネルギーが高く、環境負荷が大きい。