建築材料の透湿と結露について

まず下表をご覧ください。
透湿抵抗の数値が低いほど湿気を通しやすく、高いほど通しにくい材料になります。

種類厚み
mm
透湿抵抗
m2・h・mmHg/g
出典
( 外壁構造面材 )
合板9→||||| 17.2
構造用合板9→||| 9〜10
OSB9→||||||||| 31.5
MDF9→|| 4.7
ダイライト9→| 2.3
モイス9.5→|| 5.29
( 断熱材 )
グラスウール・ロックウール90→ 1.1
吹付硬質ウレタンフォームA種75→|||||| 17.2
( 内装下地 )
 石こうボード12→ 0.63
( 参考 )
防水透湿シート→ 0.4
防湿・気密シート→|||……||| 170
モルタル15→|||||| 19.2
しっくい2→ 0.08
一般ビニール壁紙→||| 11.9
吸放湿壁紙→| 2.3
通気性壁紙→ 0.7

(注) 出典に*印のものは、メーカー等の資料を参考にしています。その他は、住宅金融支援機構木造住宅工事仕様書に記載の数値を参考に、それぞれ一般的に使われやすい厚みに換算して記載しています。

上記の表は、一般的な壁面の材料をピックアップしたものです。実際の工事では、材料の種類や厚みなどが変わり数値も変わります。換算数値の誤差もありますからおよその数値として比べてください。

建物の結露には、表面結露と内部結露と呼ばれるものがあります。壁が湿っぽくなるのはもちろん気持ちの良いことではありませんが、特に壁内で起こりうる内部結露は、建物の寿命にも関わるので注意を払わなければなりません。
しかし結露を防ぐセオリー通りの組み合わせで施工しても、実際の建物は複雑な形の中で且つ人の手で行うものです。配線や配管も絡み合い完璧な気密工事や断熱工事をすることは実は難しいものがあります。また結露は、建物の形や仕様に加え季節や環境、生活習慣などが複合して起こります。
情報に振り回され一元的な考えだけではついつい過剰になりがちです。寒冷地でなければ、必要以上に敏感になる必要もありません。地域の特性やコストとのバランスを加味しながら、完全に起こさない事を考えるよりもトータルとしてよりリスクの少ない仕様を考える必要があります。