Y-house

Y-house|西側の外観

 いなほ工務店さんを通じて設計させて頂いたコンパクトな住宅をご紹介します。ちょうど一年前ぐらいに完成し、施主様には気持ちよくお住まいいただけています。

 この住まいの立地は、駅近く。北側には商業施設も入る大きなマンションも建っています。幸い南側は駐車場があり、現在は陽の当る良い場所にも思えますが、いずれ大きな建物が建つ可能性もあります。朝夕には通勤通学の人々が正面道路を行き交い、どちらか言えばプライバシー確保のやや難しい場所にもなります。そして変則的な角地、建物3方がしっかり見える少し変わった形の敷地でした。

 1階の庭に通じるリビングには大きな掃出し窓を設けていますが、道路も近いため、正面にプライバシー確保の塀を立てています。そして将来正面に建物が建つ事も想定できるため、リビングの一画に2階窓から採光を取り込む吹抜けを設けています。
 一年を通じてどこからともなく陽が廻り、柔らかく明るさを保てるようなリビングになることを考えました。

Y-house|リビング
Y-house|リビングの吹抜け
Y-house|吹抜けの見上げ

 吹抜けの両脇には寝室・子供部屋があります。
 吹抜けに面する内窓は、各部屋の窓から入る明かりをリビングに取り込んだり、遮ったりのコントロールも可能です。両脇の部屋の明かりも取りこめるので、真正面からだけでなく陽を入れることも可能です。
 明かりのコントロールには、施主様が設けられたスクリーンもひと役買います。また夏は陽が入りすぎるので、窓外にはステンレスパイプを用意しスダレを掛けやすくしています。

Y-house|リビング掃出し窓

 目隠し塀が立つ前。掃出し窓の向こうにはすぐ道路が見えます。

Y-house|キッチン
Y-house|階段室

 スケルトン階段の振り返りにはカスミ柄プラスチック板のはめ殺し内窓がありますが、その向こうに西窓があります。南からの陽が入りにくくなる冬には、西陽を少しでもリビングに取り込むことができるので、夕方になってもしばらく明るさを保つことができます。

Y-house|スタディスペース

 2階。階段を上がった直ぐは、吹抜けに面したスタディスペース。内干しパイプも用意しました。スタディスペースの向こうが吹抜けです。

Y-house|子供部屋

 こども部屋側の様子。

Y-house|和室から

 2階奥には、ひっそりと和室。

Y-house|アイランド収納

 リビングの一画に見える黒目の壁。実はアイランド収納。裏側の脱衣、洗面スペースを回遊状に廻ることができます。

Y-house|洗面脱衣室
Y-house|南側の外観

 目隠し塀は敢えて端まで造らず、植栽等でカバーすることにしました。とは言え直ぐに成長するものでありません。
 最後の外観写真はご入居から約半年後の様子ですが、さらに四ヶ月程後に伺った時には必要分だけ塀を自作もされていました。併せて、庭の設えをされている話も伺い、生活スタイルに合わせた庭作りを楽しまれている様子がとても伝わってきました。

 休みの日には、掃き出し窓外のデッキに親子並んで庭で過しているそうです。


住まい概要

 敷地面積      115.17m2(34.83坪 )
 建築面積      55.99m2 (16.93 坪 )
 延床面積      92.91m2(28.10 坪 )

省エネ性能値
 断熱|Ua値 0.43W/(m2・K)  断熱等級6( 認定時の等級5 )
 気密|C値 0.60 cm2/m2

主な外装仕上げ
 屋根 ガルバリウム鋼板縦平葺き
 外壁 ガルバリウム鋼板サイディング
 サッシ アルミ樹脂複合サッシ、木製玄関扉

主な内装仕上
 内壁 ビニールクロス
 床 杉フローリング(丸タ木材)
 天井 ビニールクロス、一部杉羽目板(丸タ木材)
 建具 木目ポリ合板フラッシュ、紙障子
 金物 (TOOLBOX)

 施工:株式会社いなほ工務店

施主様からのご感想

 まだ住んで1年になりますが、随分前から暮らしているように思える位馴染んでおります。快適性や愛着のある意匠、細な工夫が落着ける空間にしているのだと思います。改めて庄司様に設計頂いたことが、大変幸運だったと感じております。
 思い返せばウッドショックやロシアウクライナ戦争の影響で物価が高騰し、考えていた以上の金額になった時は契約することに躊躇しましたが、今となっては庄司様、いなほさんにお願いして良かったと思います。

2024年5月12日

“” への1件の返信

コメントを残す